2012年12月20日木曜日

議員報酬3割削減案を上程

12月定例会で、みんなの党はじめ4名の議員により
議第105号「奈良県議会議員の議員報酬の特例に関する条例」を上程しました。

 議会最終日に、私(みんなの党)が代表して提案理由を本会議で説明し、賛成討論が共産党よりされ、反対討論をする会派はありませんでした。即刻、採決にはいりましたが、結果は反対多数で否決されました。

 賛否の内訳は

反対(33)  自民党(11)民主党(8)自民党改革(7)公明党(3)なら元気クラブ(4)

賛成(9)   みんなの党(1)なら維新の会(2)共産党(5)無所属(1)

 自民、民主、公明の消費税増税3兄弟から反対討論(説明)もなく、反対された事に怒りを覚えるのは私だけでしょうか。

 提案理由の概略

 私たち選ばれた県議会議員は、県政に県民の声を反映させるとともに、知事の行政経営を監視し、チェックするという地方政府の特徴である二元代表制の一翼を担っている。私達の議員は、議会開会中だけではなく、日常的に調査や政策研究、そして政策条例の提案を行なう準備など、政治活動に励んでいる。

しかしながら、県民からすれば、私達の県議会自体、何をやっているのか見えにくく、理解されていない。

 これらの声に応えて、奈良県議会は積極的に議会改革を行なってきた。

例えば、
・県民に開かれた議会をめざし、代表・一般質問の奈良テレビによるライブでの放送
  各委員会のインターネット中継などを実現した。
・議員発案条例として、議会基本条例やがん対策推進条例等を制定した。

委員会では、
・県民のみなさんがわかりやすい一問一答方式の導入。
・憲法第93条第1項に定められている議事機関として議員間討議を始めた。

議員の処遇に関して、
・海外視察の自粛。
・政務調査費領収書の全面公開。
・費用弁償の約7割カット。

などを実行してきた。

  その上で、さらなる議会改革として、議員報酬についても検討し、三割削減を提案するものである。なぜ今、議員報酬の三割削減をしなければならないのか?
 

 第一に、議員報酬は、議員及び家族の生活を支えると同時に、県民の暮らしを守り、議員の職責を果たす為の諸活動の経費が確保されることは当然だと考える。その上にたって、現在の県民生活の深刻な実態や奈良県の厳しい財政状況を考えた時、議員報酬を削減して捻出される約1億2千4百万円を県民の暮らしを守る予算に使うべきではないのか。
 

 第二に、現在の議員報酬年額1260万円余について、市民の理解を得られる額なのかどうかである。長引くデフレ経済によって、今や国民の平均年収は下がり続けている。国税庁「平成23年分民間給与実態統計調査」によると、サラリーマンやパート従業員の平均年収は409万円となっている。

 第三に、既に、全国では約30の都道府県で議員報酬等の減額措置を実施している。近畿圏においては、奈良県議会だけが手をつけていないことになる。これで、多くの奈良県民の県議会に対する信頼或いは、納得を得られるのか。

  報酬削減反対の意見として、「人材確保の観点から議員報酬や公務員の報酬を下げるべきではない。」という意見がよく聞かれる。果たして、本当に報酬が少ないと、良い人材は確保出来ないのか。42名の議員の中で、現在の議員報酬が魅力で議員になった人がいるのか?まさかそんな人がいるとは思えない。我々の基本的心構えは、県民の生活実態に寄り添い、県民と共に苦しみを乗り越え、県民と共に喜びを分かち合うことである。特権的地位に甘んじ、世間からかけ離れた報酬を受けるべきではない。
 
 最後に、議会改革の議論はまさにこれからである。議員報酬にとどまらず、選挙にお金をかけない方法や、議員の後援会活動費でも例えば慶弔費、弔電の廃止など、「公職選挙法で容認されているから。」とかいうことでは無く、県民のみなさんのご意見をいただき、情報提供をおこないながら、県民に見える形で大いに議論をおこない、透明度を高めて、県民から信頼を得られる議会となるよう、皆で努力しようではないか。
 
 議員各位におかれましては、本条例の趣旨を何卒ご理解いただき、ご賛同いただきますよう宜しくお願い申し上げ、提案理由説明とする。
以上